防水形絶縁被覆付突合せ端子(防水形圧着スリーブ)[熱収縮タイプ]の選び方と使い方ガイド(イラストガイド付き)


↓ 防水形絶縁被覆付突合せ端子 [熱収縮タイプ] 製品ラインナップ ↓ 防水形絶縁被覆付突合せ端子 [熱収縮タイプ] 圧着工具の使用方法 ↓ よくあるお問い合わせ

このページは、はじめて防水形絶縁被覆付突合せ端子(防水形圧着スリーブ)[熱収縮タイプ]を選ばれる方や、使い方を知りたい方向けに作られております。

防水形絶縁被覆付突合せ端子(防水形圧着スリーブ)[熱収縮タイプ]とは

防水形絶縁被覆付突合せ端子(防水形圧着スリーブ)[熱収縮タイプ]とは、電線同士を延長・接続するときに使用する、防水形熱収縮チューブ付きの突合せ端子です。電線の被覆を剥いた芯線を端子の両側から差し込み、適用工具で圧着したあと、絶縁被覆(防水形熱収縮チューブ)部分をヒートガンで加熱して収縮させることで、電線接続部を保護します。

端子と絶縁被覆が一体型になっているため、追加の部品準備が不要です。加熱により被覆が収縮し、内部の接着剤が溶融して電線に密着することで、水分や異物の侵入を防ぎます。自動車やバイクの補修用途では、エンジンルーム内や車外配線など、水や湿気、ホコリの影響を受けやすい場所で使用されます。

なお、防水形絶縁被覆付突合せ端子は、一般的に「防水形圧着スリーブ」と呼ばれることもあります。メーカーや製品によって表記が異なる場合があるため、選定時は適合電線サイズ・圧着範囲・適用工具をご確認ください。

(製品使用例)[イメージ]

防水形絶縁被覆付突合せ端子(防水形圧着スリーブ)[熱収縮タイプ]製品使用例1
防水形絶縁被覆付突合せ端子(防水形圧着スリーブ)[熱収縮タイプ]製品使用例2

防水形絶縁被覆付突合せ端子[熱収縮タイプ]をご使用されるはじめての方へ

初心者マーク

はじめての方へ


初めて防水形絶縁被覆付突合せ端子[熱収縮タイプ]を使用される場合でも、以下のポイントを順番に確認することで、迷わず選ぶことができます。

  1. 電線の太さ(sq / mm²)
    → 使用する電線のサイズを確認します。
    (例:AV1.25sq、AV2.0sq など)
  2. 端子を圧着する(かしめる)適用工具
    → 防水形絶縁被覆付突合せ端子[熱収縮タイプ]に対応した圧着工具を確認します
  3. 絶縁被覆を収縮させるヒートガン
    →適切に収縮するにはヒートガンを使用します。
    ライターや直火では均一に加熱できず、被覆の損傷や防水性能の低下につながるおそれがあります。

防水形絶縁被覆付突合せ端子 [熱収縮タイプ]は、サイズや用途を誤ると、抜け・発熱・ショートの原因になることがあります。そのため、電線の太さ・適用工具・使用環境を事前に確認することが重要です。

防水形絶縁被覆付突合せ端子[熱収縮タイプ]絶縁被覆の材質(ポリエチレン [PE] )について

ポリエチレン(PE)の特長

ポリエチレン(PE)は絶縁性に富み、また水分を吸収・透過しにくい特徴をもつ樹脂材料です。絶縁性や防水性が求められる電線被覆などの用途にも使用されています。

ポリエチレン(PE)

【出典】
「こんにちはプラスチック」(日本プラスチック工業連盟)
https://www.jpif.gr.jp/learn/pamphlet/doc/pamphlet_hello-plastic.pdf(参照:2026-08-01)

「ポリエチレンってどんなプラスチック?やさしく解説します!」(一般社団法人プラスチック循環利用協会)
https://www.pwmi.jp/library/library-1553/(参照:2026-08-01)

防水形絶縁被覆付突合せ端子[熱収縮タイプ]端子部の材質について

無酸素銅(OFC)の特長

無酸素銅とは、銅に含まれる酸素や不純物を極限まで取り除いた、純度99.96%以上の高純度の素材です。一般的な銅に比べ、電気の流れを妨げる要因が少なく、電気を効率よく、安定して伝えやすい特性を有します。その特性を生かし、自動車分野だけでなく再生可能エネルギー(太陽光や風力等)発電に加え、生成AIを支えるデータセンターや関連設備など、電気を大量に扱う現代の社会インフラにおいても、重要な素材の一つとなっております。

使用される素材によっても電気の流れやすさは変わります。見えない部分だからこそ、特性を正しく知ることが重要です。

無酸素銅

無酸素銅 (JIS H 3100, C1020)

画像はイメージです。
※素地(メッキ無し)の状態では販売しておりません。

【ポイント】イラスト図解でひと目でわかる導電率

「導電率」 は 〈 道幅 〉 で例えることができ、車同様にスムーズな流れの方がより高効率です。

導電率解説イラスト

※防水形絶縁被覆付突合せ端子 [熱収縮タイプ]に使用される素材によって、電気の通りやすさ(導電率)にはこれほどの差があります。

【参考資料】 防水形絶縁被覆付突合せ端子 [熱収縮タイプ]に使用される無酸素銅(OFC)の導電率について

本体素材 素材導電率(IACS)
無酸素銅(OFC) 101%

※1. IACSとは電気抵抗の基準として国際的に採用された焼鈍(アニール処理された)標準軟銅のことで、導電率100%IACSと規定されています。
※2. 上記数値は一般参考値(目安)であり、絶対値(保証値)ではありません。
(参考文献)
大澤 直『図解入門 よくわかる最新「銅」の基本と仕組み』秀和システム,2010年,pp.11,106–107.(ISBN 978-4798026725)

脱炭素社会や本格的なAI時代を支える重要な素材となる「銅」

再生可能エネルギー発電、電気自動車(EV)、AIデータセンターなど、現代社会の電動化を支える重要な素材が「銅」です。銅は電気を効率よく伝える優れた導電性と耐久性を持ち、電力インフラや電子機器など、社会を支える幅広い分野で使用されています。

再生可能エネルギー

銅は再生可能エネルギー発電システムにおいて重要な素材です。太陽光発電や風力発電などの設備には大量の銅配線が必要であり、電気を効率的に伝導する性質が重要です。銅の高い導電性と耐久性は、再生可能エネルギー発電の効率と持続可能性を高める役割を果たします。

AIデータセンター

急速なAI(人工知能)の普及により、AIデータセンターでは大量の電力を安定供給することが求められています。サーバーや通信機器を接続する電線の導体には銅が使用されており、効率よく電気を伝える役割を担っています。銅は導電性と信頼性に優れ、情報通信インフラを支える重要な素材として活用されています。

端子部に使用される無酸素銅(OFC)のスズメッキ処理について

無酸素銅(OFC)は優れた導電性を有する一方で、大気中では酸化や硫化により表面状態が変化し、接触抵抗の上昇や導電性の低下を引き起こす可能性があります。

そこで、メッキ処理を施すことによって素材表面にメッキ皮膜を形成し、基材である無酸素銅を保護することで、突合せ端子の接続部に求められる低接触抵抗の維持と長期的な導電性の安定、耐食性の両立を実現しています。

スズメッキ
スズメッキは導電性を長期にわたり安定して維持が出来るのが特長です。表面に形成されるメッキ皮膜が酸化・硫化を抑制し、安定した導電性と耐食性を確保します。電気機器部品をはじめ、幅広い用途で採用されています。

RoHS2指令について

RoHS(ローズ)指令とは、EU(ヨーロッパ連合)が定めた「電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用を制限する規制」です。鉛(Pb)、水銀(Hg)、カドミウム(Cd)、六価クロム(Cr⁶⁺)、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)、フタル酸エステル類など、環境や人体に悪影響を与える物質の使用を厳しく制限されております。

2006年に施行されて以来、EU域内で広く適用され、その後さらに規制対象を拡大したものが「RoHS2指令」です。ヒーロー電機の突合せ端子はRoHS2指令に適合しており、自動車補修の現場でも安心してお使いいただけます。また、環境に配慮した製品を通じて、持続可能な未来の実現にも貢献してまいります。

RoHS2(Restriction of Hazardous Substances Directive)指令は、電気・電子機器およびそれらの部品における特定の有害物質の使用を制限するための欧州連合(EU)の指令です。RoHS2指令は、環境および人体への有害な影響を軽減することを目的としています。

RoHS2指令の対象物質は以下の10種類です。

  1. 鉛(Lead)
  2. 水銀(Mercury)
  3. カドミウム(Cadmium)
  4. 六価クロム(Hexavalent Chromium)
  5. ポリ臭化ビフェニル(Polybrominated Biphenyls、PBBs)
  6. ポリ臭化ジフェニルエーテル(Polybrominated Diphenyl Ethers、PBDEs)
  7. フタル酸ジイソブチル Diisobutyl phthalate、DIBP)
  8. フタル酸ジ-n-ブチル (Dibutyl phthalate、DBP)
  9. フタル酸ブチルベンジル (Butyl benzyl phthalate、BBP)
  10. フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) (Bis(2-ethylhexyl) phthalate、DEHP)

これらの物質は環境への悪影響があると認識されており、特に廃棄物処理時に有害物質が漏れ出すことで土壌や水源に浸透し、生態系や人の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

ACHシリーズ 絶縁被覆部分を加熱する際の注意事項について

注意マーク
ヒートガンを使用し、被覆全体を均一に加熱してください。ライターや直火は使用しないでください。

防水形絶縁被覆付突合せ端子[熱収縮タイプ]の絶縁被覆部分を収縮させる際は、ヒートガン(工業用ドライヤー)を使用してください。ライターや直火では均一に加熱できず、被覆の損傷や防水性能の低下につながるおそれがあります。

加熱時は可燃物を周囲から遠ざけ、やけどに十分注意してください。電線を回転させながら被覆全体を均一に加熱し、端部から接着剤が少ししみ出したことを目安に作業を完了してください。

ヒートガンを使用する際のポイント

ヒートガンで加熱する際は、端子中央部から端に向かって電線をゆっくり回転させながら、絶縁被覆全体を均一に収縮させてください。一部分だけに熱が集中すると、被覆の変形や防水性能の低下につながるおそれがあります。

端部から接着剤が少ししみ出したら、収縮完了の目安です。

防水形絶縁被覆付突合せ端子[熱収縮タイプ]製品ラインナップ

防水形絶縁被覆付突合せ端子 [熱収縮タイプ] 製品ラインナップ

写真製品寸法図品番規格・仕様適用工具
銅管内径絶縁被覆部内径電線抱合範囲(撚線)長さ

ACH-0.5 φ1.4mmφ2.9mm
(最小)
0.30mm2~0.50mm225.0mm M100A

ACH-1.25 φ1.7mmφ4.3mm
(最小)
0.75mm2~1.25mm237.0mm M100A

ACH-2 φ2.3mmφ5.1mm
(最小)
2.00mm237.0mm M100A

ACH-5.5 φ3.4mmφ6.2mm
(最小)
5.50mm242.0mm M100A

防水形絶縁被覆付突合せ端子[熱収縮タイプ]用 圧着工具の使用方法

絶縁被覆付端子圧着工具 M100A

圧着範囲:1.25mm2~5.50mm2

全長:225mm

質量:0.24kg

※画像をクリックすると、イラストガイド付きで詳しい施工手順が表示されます。

手順1 使用する電線に適合する防水形絶縁被覆付突合せ端子 [熱収縮タイプ] を選定し、工具表面に表示されている色付きの丸(被覆色と同じ色)に対応する歯形で軽く挟み、端子位置を調整する

※ACH-0.5とACH-5.5は同じ黄色の絶縁被覆が付いています。 ACH-0.5を使用する場合は、「1.25」の歯型を使用してください。

手順2 被覆を剥いた電線を、防水形絶縁被覆付突合せ端子 [熱収縮タイプ] に差し込む。芯線の先端が端子中央のストッパーに当たる位置まで挿入し、電線が奥まで入っていることを確認する。

電線の被覆を剥く長さは、端子の端からストッパーまでの長さ+約1mm程度です。

手順3 圧着工具のグリップをしっかりと握り、防水形絶縁被覆付突合せ端子 [熱収縮タイプ] を圧着する

手順4 圧着した防水形絶縁被覆付突合せ端子[熱収縮タイプ]の圧着部を確認します(※電線の抜けや圧着不足がないことを確認してください)。次にヒートガンを使用し、端子中央から端に向かって被覆全体をゆっくり回転させながら均一に収縮させ、端子両端から接着剤がしみ出したら、熱収縮および防水処理は完了です。

よくあるお問い合わせ

防水形絶縁被覆付突合せ端子(防水形圧着スリーブ)[熱収縮タイプ] とはどのような製品ですか?

導電性に優れた無酸素銅の突き合わせ端子の外側に、接着剤入りのポリエチレンを採用した製品です。製品圧着後、絶縁被覆部分をヒートガン(工業用ドライヤー)で加熱するとチューブが収縮し、内部より接着剤が溶けることにより水分や異物の侵入を防ぎます。

自動車補修用途で防水形絶縁被覆付突合せ端子(防水形圧着スリーブ)[熱収縮タイプ] はどのような場面で使われますか?

自動車やバイクなどの補修用途では、エンジンルーム内や車外等で主に水や湿気、ホコリなどが影響する環境で使用されます。

防水形絶縁被覆付突合せ端子(防水形圧着スリーブ)[熱収縮タイプ] を使用する際に注意すべきことは何ですか?

防水形絶縁被覆付突合せ端子(防水形圧着スリーブ)[熱収縮タイプ] をご使用される際には、以下の点に注意してください。

  • 端子を圧着する際には必ず適用工具を使用し、しっかりと圧着(かしめ)を行ってください。
  • 端子の圧着後は、電線を軽く引いて抜けないかを必ず確認を行ってください。
  • 絶縁被覆部分を加熱にする際にはヒートガン(工業用ドライヤー)を使用してください。(ライターや直火などは均一に加熱できず、防水性能を十分に発揮することが出来ない恐れがあります。可燃物を周囲から遠ざけ、やけどなど安全面にも十分ご注意ください)
  • 端子に絶縁被覆が覆われている一体化構造ですが、取り付け部分に露出がないかを確認してください。
注意マーク
  • 防水形絶縁被覆付突合せ端子[熱収縮タイプ]は、適合電線サイズ・圧着範囲・適用工具を確認したうえで使用してください。サイズ違い、圧着不足、加熱不足または過加熱は、電線の抜け・発熱・ショート・防水性能低下の原因になるおそれがあります。
  • 自動車・バイクなどの電装配線で作業する場合は、作業前に必ずバッテリーを外してください。圧着後は電線の抜けがないことを確認し、ヒートガンで被覆全体を均一に収縮させてください。ライターや直火は使用せず、加熱後は接着剤のしみ出し、金属部の露出、被覆の焦げ・変形がないことを確認してください。
  • 収縮させる際は、ヒートガン(工業用ドライヤー)を使用してください。ライターや直火では均一に加熱できず、被覆の損傷や防水性能の低下につながるおそれがあります。