分岐タップ(エレクトロタップ)の選び方と使い方ガイド(イラストガイド付き)


↓ 製品ラインナップ ↓ イラストガイド(品番:B-51・B-51S・B-52) ↓ イラストガイド(品番:B-79・B-59)

このページは、はじめて分岐タップ(エレクトロタップ)を選ばれる方や、使い方を知りたい方向けに作られております。

分岐タップ(エレクトロタップ)とは

分岐タップ(エレクトロタップ)は、専用工具を使わずにプライヤー等で取り付けできる電気配線用の接続部品です。既設配線に本体を挟み込み、新しい電線を所定位置まで差し込み、プライヤー等で本体金属部を押し込むだけで、被覆を剥かずに簡単に分岐接続が行えます。ETC・ドライブレコーダー、追加ライトなど、電装品の取り付け時によく使用されます。

(製品使用例)

品番:B-79 幅広い線径に対応

品番:B-51S 細線同士の接続に

本体金属部の材質(黄銅)について

黄銅の特長

銅に亜鉛を加えて作られる合金で、JIS規格では亜鉛を30%以上含むものを黄銅(おうどう)と規定しています。銅は金属の中でも数少ない有色金属であり、他の金属と合金化することによって、赤み・黄色・白色など多様な色調を示すのが特徴です。

銅に亜鉛を添加して得られる黄銅は黄金色の光沢を持ち、一般に「真鍮(しんちゅう)」または「ブラス(brass)」とも呼ばれます。身近な例としては、五円硬貨、トランペットやサックスなどの管楽器、水道金具のほか、自動車のラジエーター部品や各種コネクター等にも幅広く利用されています。

無酸素銅 (JIS H 3100, C1020)

【出典】
一般社団法人日本伸銅協会・一般社団法人日本銅センター.『伸銅品』(PDF). https://www.jcda.or.jp/publication/pamphlet/pdf/shindouhin_kaitei_20211130%20%282%29.pdf (参照 2025-11-11)

【参考文献】
大澤 直『図解入門 よくわかる最新「銅」の基本と仕組み』秀和システム,2010年,pp.11,106–107.(ISBN 978-4798026725)

本体金属部の表面メッキ処理(スズメッキ)について

分岐タップ(エレクトロタップ)本体金属部に使用している素材は黄銅です。黄銅は大気中での酸化・硫化により表面が変色し、接触抵抗の上昇や導電性の劣化を引き起こす可能性があります。これを抑えるため、製品表面にはスズメッキを施すことでメッキ皮膜を形成して基材を保護し、長期にわたり低接触抵抗と耐食性の両立を実現します。

スズメッキの特性と用途

特性用途
電気的特性を活かした分野電子部品・半導体部品・機械部品などのメッキ

<ポイント>
錫(スズ)は表面に緻密な酸化膜を形成するため、酸化膜が成長しづらく金属表面の保護に向いております。

素材表面処理 選択基準

適用素地メッキ用途例
同・銅合金 スズメッキ コネクタ一般・端子類

【参考文献】
榎本 利夫,佐藤 敏彦『設計者のための実用めっき教本』日刊工業新聞社,2013年,pp.50,90.(ISBN: 978-4-526-07087-7)
和田 祐輝『電気接点としての錫めっきに関する研究』三重大学大学院 工学研究科,修士論文,2017.三重大学学術機関リポジトリ,
https://mie-u.repo.nii.ac.jp/record/12203/files/2017ME099.pdf(参照 2025-11-11).

RoHS2指令について

RoHS(ローズ)指令とは、EU(ヨーロッパ連合)が定めた「電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用を制限する規制」です。鉛(Pb)、水銀(Hg)、カドミウム(Cd)、六価クロム(Cr⁶⁺)、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)、フタル酸エステル類など、環境や人体に悪影響を与える物質の使用を厳しく制限されております。

2006年に施行されて以来、EU域内で広く適用され、その後さらに規制対象を拡大したものが「RoHS2指令」です。ヒーロー電機の分岐タップ(エレクトロタップ)はRoHS2指令に適合しており、自動車補修の現場でも安心してお使いいただけます。また、環境に配慮した製品を通じて、持続可能な未来の実現にも貢献してまいります。

RoHS2(Restriction of Hazardous Substances Directive)指令は、電気・電子機器およびそれらの部品における特定の有害物質の使用を制限するための欧州連合(EU)の指令です。RoHS2指令は、環境および人体への有害な影響を軽減することを目的としています。

RoHS2指令の対象物質は以下の10種類です。

  1. 鉛(Lead)
  2. 水銀(Mercury)
  3. カドミウム(Cadmium)
  4. 六価クロム(Hexavalent Chromium)
  5. ポリ臭化ビフェニル(Polybrominated Biphenyls、PBBs)
  6. ポリ臭化ジフェニルエーテル(Polybrominated Diphenyl Ethers、PBDEs)
  7. フタル酸ジイソブチル Diisobutyl phthalate、DIBP)
  8. フタル酸ジ-n-ブチル (Dibutyl phthalate、DBP)
  9. フタル酸ブチルベンジル (Butyl benzyl phthalate、BBP)
  10. フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) (Bis(2-ethylhexyl) phthalate、DEHP)

これらの物質は環境への悪影響があると認識されており、特に廃棄物処理時に有害物質が漏れ出すことで土壌や水源に浸透し、生態系や人の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

分岐タップ(エレクトロタップ) 製品ラインナップ

分岐タップ(エレクトロタップ) 製品ラインナップ

写真製品寸法図品番規格・仕様
適用電線材質表面処理絶縁部材質

B-51S0.18mm2~0.36mm2黄銅スズメッキナイロン

B-510.50mm2~0.85mm2黄銅スズメッキナイロン

B-520.50mm2~2.00mm2黄銅スズメッキナイロン

B-790.35mm2~1.25mm2黄銅スズメッキポリプロピレン

B-59本線
3.50mm2~4.00mm2
分岐線
0.85mm2~2.00mm2
黄銅スズメッキポリプロピレン

分岐タップ(エレクトロタップ)の使用方法①

対象製品:B-51S(本体:白色)・B-51(本体:赤色)・B-52(本体:青色)

手順1 電線サイズに適合する分岐タップを選定し、ストッパーのない側に電線をセットする

手順2 ハウジングを本体側に折り返し、プライヤーの平行面で上下を均等に加圧する

※手順1の画像とハウジングの上下が反転していますが、本線の取り付け位置は変わりません。

手順3 分岐用電線の先端をストッパーに突き当てる

手順4 分岐線側のハウジング折り返しプライヤーで加圧し、ハウジングのロックが掛かったことを確認する

分岐タップ(エレクトロタップ)の使用方法②

対象製品:B-79(本体:桃色)・B-59(本体:茶色)

手順1 電線サイズに適合する分岐タップを選定し、本線をコネクタ側面のスリットに確実に嵌め込む

手順2 分岐線をコネクタ側面の差込孔からまっすぐ挿入し、奥のストッパーに突き当てる

手順3 プライヤーで本体金属部を左右均等に押し下げ、コネクタ面と同一面になるまで確実に加圧する

手順4 本体金属部が完全に押し込まれた状態でカバーをロックする。カバーのロック状態を目視し、本線・分岐線を軽く引っ張って抜けないことを確認する。必要に応じて動作(通電)確認も実施

よくあるお問い合わせ

分岐タップ(エレクトロタップ)とはどのような製品でしょうか?

分岐タップ(エレクトロタップ)は、専用工具を使わずにプライヤー等で取り付けできる電気配線用の接続部品です。既設配線に本体を挟み込み、新しい電線を所定位置まで差し込み、本体金属部を押し込むだけで、被覆を剥かずに簡単に分岐接続が行えます。ETC・ドライブレコーダー、追加ライトなど、電装品の取り付け時によく使用されます。

  • 既設配線を切断せず、被覆の上から本体を挟み込み、本体金属部をプライヤー等で押し込むだけで新しい電線を取り付けられます。
  • 配線作業の効率化や追加電装品を取り付ける際には非常に便利です。
  • 車のDIY配線でよく使用されております。

分岐タップ(エレクトロタップ)
品番:B-79

製品使用例

分岐タップ(エレクトロタップ)のメリットとデメリットは何ですか?

<メリット>

  • 専用工具がなくても簡単に取り付けが可能です。
  • 既存の電線を切断することなく分岐が出来ます。
  • DIY初心者でも扱いやすく、時間をかけずに配線接続が可能です。

<デメリット>

  • 接触不良や断線をする恐れがあります。
  • 度重なる振動や経年劣化などが要因となり外れる懸念があります。
  • 大きな電流が流れる回路や重要回路には不向きとなります。

分岐タップ(エレクトロタップ)は、自動車補修用途において主にどのような場面で使われますか?

自動車補修用途において、分岐タップ(エレクトロタップ)は主に「追加の電装品を取り付けるとき」に使用されるケースが多いです。

<分岐タップ使用例>

  • ドライブレコーダー
  • ETC車載器
  • 追加のLEDライトや車内照明
  • カーオーディオ
  • 一時的なテスト配線(動作確認用の仮配線など)
  • 【注意】
    エンジン制御やエアバッグなど安全に関わる回路では使用せず、より信頼性の高い接続方法をご推奨いたします。

分岐タップ(エレクトロタップ)を使用する際に注意すべきことはありますか?

分岐タップ(エレクトロタップ)をご使用される際には、以下の点にご注意してください。

電線サイズを確認
分岐タップ(エレクトロタップ)に適合しないサイズの電線を使用しますと、接触不良や断線の原因になります。

本体金属部を確実に押し込む
プライヤー等で本体金属部を奥まで確実に押し込み、カバーを確実にロックしてください。押し込み不足は導通不良の原因になります。

導通確認を実施
製品の取り付け後は電装品が正しく動作するか確認を行ってください。

【注意】
「簡単に取り付けできる」ことが長所の分岐タップ(エレクトロタップ)ですが、作業を丁寧に行われませんとトラブルの原因になる恐れがあります。

分岐タップ(エレクトロタップ)以外に、新たに電線を分岐させる方法はありますか?

分岐タップ(エレクトロタップ)以外に、新たに電線を分岐させる方法は下記のとおりとなります。

スプライス端子
圧着工具を使用し、電線同士を圧着する(かしめる)ことで確実に接続できます。強度・信頼性が高く、長期使用に適しています。

スプライス端子(品番:B-48)

製品使用例

ギボシ端子
端子を接続した後でも「抜き差し(着脱)」を行うことが出来ます。メンテナンス性に優れ、電装品の交換が多い場合に便利です。

ギボシ端子 メス W形(品番:B-16)

製品使用例