スプライス端子の選び方と使い方ガイド(イラストガイド付き)


↓ スプライス端子(B-48)を使用した延長接続 ↓ スプライス端子(B-48)を使用した分岐接続 ↓ スプライス端子(B-80)を使用した延長接続 ↓ スプライス端子(B-80)を使用した分岐接続

このページは、はじめてスプライス端子を選ばれる方や、使い方を知りたい方向けに作られております。

スプライス端子とは

スプライス端子とは、電線同士を確実に接続するための端子の一種です。直線接続(延長)・分岐接続・先端処理(閉端)など、電線の繋ぎ方によってさまざまな使い方ができる、用途の広い接続端子です。

正しく圧着されたスプライス端子は、長期間にわたって接続強度と電気的な安定性に優れた信頼性の高い結線が可能になります。

分岐タップ(エレクトロタップ)と比較し、コンパクトに仕上げることができ、狭いスペースでも取り付けが可能な点が大きな特長です。主に自動車やバイクなどの配線をはじめ、限られたスペース内で確実な結線による信頼性が求められる場所でスプライス端子は多く使われております。

※注意:スプライス端子用の絶縁スリーブはございません。絶縁テープや熱収縮チューブ等を使用し必ず絶縁処理を行ってください。

(製品使用例)

※上記画像は製品使用例 画像掲載の都合上、絶縁処理前に写真撮影を行ったものとなります。

スプライス端子の材質(黄銅)について

黄銅の特長

銅に亜鉛を加えて作られる合金で、JIS規格では亜鉛を30%以上含むものを黄銅(おうどう)と規定しています。銅は金属の中でも数少ない有色金属であり、他の金属と合金化することによって、赤み・黄色・白色など多様な色調を示すのが特徴です。

銅に亜鉛を添加して得られる黄銅は黄金色の光沢を持ち、一般に「真鍮(しんちゅう)」または「ブラス(brass)」とも呼ばれます。身近な例としては、五円硬貨、トランペットやサックスなどの管楽器、水道金具のほか、自動車のラジエーター部品や各種コネクター等にも幅広く利用されています。

Cu-Zn系合金(黄銅)

【出典】
一般社団法人日本伸銅協会・一般社団法人日本銅センター.『伸銅品』(PDF). https://www.jcda.or.jp/publication/pamphlet/pdf/shindouhin_kaitei_20211130%20%282%29.pdf (参照 2025-11-11)

【参考文献】
大澤 直『図解入門 よくわかる最新「銅」の基本と仕組み』秀和システム,2010年,pp.11,106–107.(ISBN 978-4798026725)

RoHS2指令について

RoHS(ローズ)指令とは、EU(ヨーロッパ連合)が定めた「電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用を制限する規制」です。鉛(Pb)、水銀(Hg)、カドミウム(Cd)、六価クロム(Cr⁶⁺)、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)、フタル酸エステル類など、環境や人体に悪影響を与える物質の使用を厳しく制限されております。

2006年に施行されて以来、EU域内で広く適用され、その後さらに規制対象を拡大したものが「RoHS2指令」です。ヒーロー電機の分岐タップ(エレクトロタップ)はRoHS2指令に適合しており、自動車補修の現場でも安心してお使いいただけます。また、環境に配慮した製品を通じて、持続可能な未来の実現にも貢献してまいります。

RoHS2(Restriction of Hazardous Substances Directive)指令は、電気・電子機器およびそれらの部品における特定の有害物質の使用を制限するための欧州連合(EU)の指令です。RoHS2指令は、環境および人体への有害な影響を軽減することを目的としています。

RoHS2指令の対象物質は以下の10種類です。

  1. 鉛(Lead)
  2. 水銀(Mercury)
  3. カドミウム(Cadmium)
  4. 六価クロム(Hexavalent Chromium)
  5. ポリ臭化ビフェニル(Polybrominated Biphenyls、PBBs)
  6. ポリ臭化ジフェニルエーテル(Polybrominated Diphenyl Ethers、PBDEs)
  7. フタル酸ジイソブチル Diisobutyl phthalate、DIBP)
  8. フタル酸ジ-n-ブチル (Dibutyl phthalate、DBP)
  9. フタル酸ブチルベンジル (Butyl benzyl phthalate、BBP)
  10. フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) (Bis(2-ethylhexyl) phthalate、DEHP)

これらの物質は環境への悪影響があると認識されており、特に廃棄物処理時に有害物質が漏れ出すことで土壌や水源に浸透し、生態系や人の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

スプライス端子 製品ラインナップ

スプライス端子 製品ラインナップ

写真製品寸法図品番規格・仕様
電線包合範囲材質表面処理

B-48 1.25mm2~2.00mm2黄銅キリンス処理

B-49 2.50mm2~6.50mm2黄銅無処理

B-800.50mm2~1.25mm2黄銅スズメッキ

スプライス端子の使用方法

延長接続(スプライス端子:B-48)

※画像をクリックすると、イラストガイド付きで詳しい施工手順が表示されます。

手順1 使用する電線に適合するスプライス端子を選定し、圧着工具の歯型で軽く挟む

手順2 スプライス端子の内部に、接続する電線の芯線同士を重ね合わせる

手順3 圧着工具のグリップをしっかりと握り、スプライス端子を圧着する

※注意:スプライス端子用の絶縁スリーブはございません。絶縁テープや熱収縮チューブ等を使用し必ず絶縁処理を行ってください。

延長接続(スプライス端子:B-80)

※画像をクリックすると、イラストガイド付きで詳しい施工手順が表示されます。

手順1 使用する電線に適合するスプライス端子を選定し、圧着工具の歯型 INS(インスレーション〔絶縁被覆〕)部分で軽く挟む

手順2 スプライス端子の内部に電線を挿入し、適切な位置で電線の被覆を突き破らない程度に圧着する

手順3 被覆を圧着した電線の芯線に、新たに追加する電線の芯線を重ね合わせる

手順4 圧着工具のグリップをしっかりと握り、スプライス端子を圧着する

※注意:スプライス端子用の絶縁スリーブはございません。絶縁テープや熱収縮チューブ等を使用し必ず絶縁処理を行ってください。

分岐接続(スプライス端子:B-48)

※画像をクリックすると、イラストガイド付きで詳しい施工手順が表示されます。

手順1 使用する電線に適合するスプライス端子を選定し、圧着工具の歯型で軽く挟む

手順2 スプライス端子の内部に、中間剥きした分岐する電線の芯線と新たに分岐させる電線の芯線を重ね合わせる

手順3 圧着工具のグリップをしっかりと握り、スプライス端子を圧着する

分岐接続(スプライス端子:B-80)

※画像をクリックすると、イラストガイド付きで詳しい施工手順が表示されます。

手順1 使用する電線に適合するスプライス端子を選定し、圧着工具の歯型 INS(インスレーション〔絶縁被覆〕)部分で軽く挟む

手順2 スプライス端子の内部に中間剥きした分岐する電線を挿入し、適切な位置で電線の被覆を突き破らない程度に軽く圧着する

手順3 中間剥きした分岐する電線の芯線に、新たに追加する電線を重ね合わせる

手順4 圧着工具のグリップをしっかりと握り、スプライス端子を圧着する

よくあるお問い合わせ

スプライス端子とはどのような製品ですか?

スプライス端子は、電線同士を確実に接続するための製品です。電線の被覆を剥いて芯線を端子に差し込み、適用圧着工具で圧着する(かしめる)ことで分岐接続を実現します。施工後は省スペースな点が特長です。注意点として、ギボシ端子のように配線の「脱着」を必要としない箇所に使用します。

スプライス端子の種類にはどのようなものがありますか?

スプライス端子は、電線の抱合範囲に応じて3種類の製品をラインナップしております。

スプライス端子を使用する際の注意点はありますか?

製品をご使用の際には、以下の点に十分にご注意してください。

  • 電線サイズ(mm²/sq)に合ったスプライス端子を選定してください。電線抱合範囲外は導通不良や抜けの原因になります。
  • スプライス端子に適合した圧着工具を使用し、正しい手順にて圧着(かしめる)してください。
  • スプライス端子を圧着(かしめ)後は、電線を軽く引いて抜けないか必ず確認してください。
  • 圧着部には熱収縮チューブや絶縁テープ等で確実に絶縁処理を施し、他の金属部に触れないようにしてください。

スプライス端子と他の接続方法(ギボシ端子および分岐タップ [エレクトロタップ] )との違いは何ですか?

大きな違いは、端子の「着脱性」と接続方法の「信頼性」となります。

スプライス端子
一度圧着すると基本的に再使用できませんが、省スペースで接続強度・安定性を確保しやすい方式です。

ギボシ端子
着脱可能でメンテナンス性に優れた接続方式です。点検・交換の頻度が高い箇所に適しています。

分岐タップ [エレクトロタップ]
圧着工具を使わずに簡単に分岐できます。ただし、常時強い振動などがある箇所では、スプライス端子などによる確実な圧着接続のほうが適している場合があります。

※使用環境・施工状態・施工品質により性能は変動します。過酷な条件下では、スプライス端子などによる確実な圧着接続の採用をご検討ください。