自動車補修用バッテリーターミナル for Professional

板タイプバッテリーターミナル(イオニスコート/ SK仕様)

板タイプバッテリーターミナル
ボルト型タイプ DTPL-SKシリーズ / DTPS-SKシリーズ

※「ボルトタイプ・イオニスコート/ SK仕様」は製品化予定

板タイプバッテリーターミナル
マルチ型タイプ DMPLシリーズ / DMPSシリーズ

無酸素銅(OFC)・高導電性

サビに強い「イオニスコート/SK」

高品質の MADE IN JAPAN

高導電性の無酸素銅と高耐食複合合金メッキを共創させ、更なる進化を遂げた至高の逸品

自動車などに使用されているバッテリー(鉛蓄電池)のパワーを各種電装品への効率的かつ安定供給を目的に、他の不純物や添加物が最小限しか含まれていない99.96%以上の純度を有する最高品質の銅で、且つ優れた導電性を有する「無酸素鋼(OFC)」を本体素材として採用。また、サビに強くステンレス材(SUS304)と同等耐食性を有する卓越した表面処理と、ヒーロー電機の厳格な基準を満たすため日本国内で製造された比類なきバッテリーターミナル。

ヒーロー電機では、自動車補修用バッテリーターミナルとしては1988年当時<業界初>となる導電性に優れた「無酸素銅(OFC)」を本体素材として採用し、電力供給の効率化に尽力してまいりました。また、発売開始以来、国内の自動車アフターマーケットを中心に30有余年におよぶ販売実績を誇ると共に、第一線で活躍するプロフェショナルの厳しいニーズに応え続ける製品として今日に至るまで高いご評価をいただいております。

自動車に使用される電装関連は過去と比較し大きな電力を要するようになり、電力の供給源となるバッテリー(鉛蓄電池)は小型化・高性能化傾向にあります。性能をしっかりと発揮できるよう「品質」「耐久性」を追及してまいります。

安心・信頼の証「MADE IN JAPAN」

設計から製造に至るまで頑なに純国産にこだわり続けると共に、ヒーロー電機 創立以来 プロユース向け自動車補修用電装部品専門メーカーとして培った半世紀の長きにわたる経験やノウハウを随所に反映させることで、製品自体の高い品質と信頼性を追求。

プロユース向け製品として「品質」ならびに「耐久性」の両立という至上命題に応えるべく、全製品ともに「自社設計開発」を実施。

本体素材には不純物を極限にまで取り除いた「無酸素銅(OFC)」を採用

板タイプバッテリーターミナルの本体素材には、酸化物を含まない一般的な銅に比べて高純度、且つ高い導電性を兼ね備え、電子機器や電線などに広く採用されている「無酸素銅(OFC)」を自動車補修用バッテリーターミナルとして業界初採用。

圧着タイプ
ボルトタイプ

※画像はイメージです。
※素地(メッキ無し)の状態では販売しておりません。

無酸素銅(Oxygen Free Copper)とは

無酸素銅(JIS H 3100, C1020)
純度99.96%以上の高純度な銅

無酸素銅は、他の元素や不純物・酸素を極限まで取り除いた純粋な銅となり、一般的な銅に比べて純度が非常に高くなっております。

高い導電性

無酸素銅は、高い電気伝導性を持ち、電子機器や電線、導体などの製造に広く使用されております。高い電気伝導性は、電気信号を効率的に伝えることができます。

■板タイプバッテリーターミナルで採用している無酸素銅の種類・等級・種類の記号
名称 種類 等級a) 種類の記号 特色及び用途例
(参考)
合金番号 形状
無酸素銅 C1020 普通級 C1020Rb) 導電性・熱伝導性・展延性・絞り加工性に優れ,溶接性・
耐食性・耐候性がよい。還元性雰囲気中で高温に加熱し
ても水素ぜい化を起こすおそれがない。
電気用,化学工業用などに用いる。

(引用文献):日本工業規格 JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

[注記]
b) 導電用として使用する板及び条は,種類の記号のP,PS,R 又はRS の後にC を付ける。

■ 無酸素銅(合金番号:C1020)の化学成分
合金番号 化学成分(%)

Cu

Pb

Fe
スズ
Sn
亜鉛
Zn
アルミニウム
Al
マンガン
Mn
ニッケル
Ni
リン
P
ジルコニウム
Zr
C 102099.96 以上

(引用文献):日本工業規格 JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

■ 板タイプバッテリーターミナルで採用している無酸素銅の機械的性質
合金
番号
質別 製品記号 引張試験 曲げ試験a) 硬さ試験a)(参考)
厚さの区分

mm
引張強さb)

N/mm2
伸びb)

厚さの
区分
mm
曲げ
角度e)
内側
半径e)
厚さの
区分
mm
ピッカース
硬さb)
HV
C1020 ½H C 1020
P-½Hd)
C 1020
PS-½Hd)
0.10以上 0.15未満 235~315 0.10 以上 2.0 以下 180° 厚さの1倍 0.20 以上 20 以下 75~120e)
0.15以上 0.30未満 10以上
0.30以上 20以下 245~315 15以上
C 1020
R-½Hd)
C 1020
RS-½Hd)
0.10以上 0.15未満 235~315 0.20 以上
0.15以上 0.30未満 10以上
0.30以上 4.0以下 245~315 15以上 4.0 以下

(引用文献):日本工業規格 JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

[注記]
a) 曲げ試験及び硬さ試験に関して規定した厚さの区分を外れるものは,試験を適用しない。
b) 数値は,整数値に丸める。
d) 導電用の板及び条にも適用する。
e) 最小試験力は,1.961 N とする。

参考資料1 バッテリーターミナル用の素材として一般的に採用される各種素材の導電性 比較一覧
比較素材無酸素銅(OFC)
(当社製品採用素材)
黄銅(真鍮・ブラス)亜鉛合金ダイカスト
素材導電率(IACS)101%28%26%9%

※1. IACSとは電気抵抗の基準として国際的に採用された焼鈍(アニール処理された)標準軟銅のことで、導電率100%IACSと規定されています。
※2. 上記数値は一般参考値(目安)であり、絶対値(保証値)ではありません。
(※注) Cu-Zn合金は黄銅(おうどう)、真鍮(しんちゅう)、ブラス(brass)とも呼ばれますが、学術用語は「黄銅」です。
     (引用文献):大沢直.図解入門 よくわかる最新「銅」の基本と仕組み.秀和システム、2010、 p.106、(秀和システム).

【ポイント】イラスト図解でひと目でわかる導電率

「導電率」 は 〈 道幅 〉 で例えることができ、車同様にスムーズな流れの方がより高効率です。

再生可能エネルギー発電、電気自動車などをはじめとした、持続可能な脱炭素社会の実現をさせるための重要な素材となる「銅」

■再生可能エネルギー発電
銅は再生可能エネルギー発電システムにおいて重要な素材です。太陽光発電や風力発電などの設備には大量の銅配線が必要であり、電気を効率的に伝導する性質が重要です。銅の高い導電性と耐久性は、再生可能エネルギー発電の効率と持続可能性を高める役割を果たします。

■電気自動車と充電インフラ
銅は電気自動車(EV)の製造においても欠かせない素材です。EVのモーターやバッテリー、充電インフラには大量の銅が必要とされます。高い導電性と耐久性により、銅はEVの性能と効率性を向上させる役割を果たします。

■電子機器
銅は電子機器の製造においても重要な素材です。コンピューター、スマートフォン、テレビなどの電子機器には銅配線が使用されています。また、銅は熱を効率的に伝導するため、電子機器の冷却材としても利用されます。高性能な電子機器が脱炭素社会においてますます重要となる中、銅はその需要の一部を支える役割を果たします。

表面にはサビに強いステンレス材(SUS304)と同等耐食性を有する「イオニスコート/SK」を採用

素材の無酸素銅(OFC)表面処理には、ステンレス材(SUS304)と同等の耐食性能(サビに強い)と、薄膜で自己修復性能(キズに強い)を有する高耐食複合合金メッキ(イオニスコート/SK)を採用。

イオニスコート/SKとは

イオニスコート/ SKは「高耐食」「電蝕防止」「自己修復性」の機能を有する次世代を担う表面処理です。

亜鉛-ニッケル合金メッキ下地に三価クロメート処理を施し、トップコートには水溶性の高いシリカを主成分とした防錆コーティング剤を含有し、傷などでメッキ皮膜が損傷してもトップコートが表面に溶け出し、傷部を覆う自己修復性能を有します。

現在、過酷な自然環境の中で長期間にわたり使用されるメガソーラーパネルを固定するネジなどを中心に幅広い分野で採用されております。

※工具や鋭利な物などで傷がついた場合など、トップコートが物理的に剥がれるというような深い傷や、トップコート自体が切断された場合等は復元しません。

※「圧着タイプ・イオニスコート/ SK仕様」は製品化予定

当社定めによる「複合サイクル試験」の検証(試験材料:DTPL-1S・DTPL-1SK)

【複合サイクル試験機全体像】

(スガ試験機株式会社様 画像掲載許諾済)

試験中の状態

パフォーマンス性能を最大限に発揮させることに主眼を置いた製品開発

自動車エンジンルーム内における苛酷な使用環境下において、バッテリーターミナルとしての信頼性と堅牢性の両立を至上命題とすべく、素材自体の肉厚化ならびに製品本体への切り込みや割れ目がないスリットレス構造を基本仕様とすると共に、ヒーロー電機がこれまで培ってきた技術やノウハウを設計段階より反映させ、自社製品開発を実施。

開発コンセプト 開発コンセプトの背景(理由)
素材の肉厚化
  1. 構造の強化
    肉厚化により銅の強度が向上。銅は比較的柔らかい素材となる為、肉厚化によって剛性や耐久性を高めることが可能。
  2. 電気伝導性の向上
    無酸素銅は優れた導電性を兼ね備えておりますが、肉厚化に伴う銅の体積が増えることで、電気信号や電力の伝送効率が向上。

スリットレス構造
  1. 強度と耐久性の向上
    スリット(切り込みや割れ目)がないため、製品自体の強度と耐久性が向上。
  2. 製品本体破損のリスクを低減
    スリットレス構造にすることで亀裂や割れのリスクを低減させ、接触不良や電圧低下などのトラブルを回避。

板タイプバッテリーターミナル 肉厚検証

製 品 板厚
ボルトタイプ DTPLシリーズ 1.8 mm
DTPSシリーズ 1.5 mm
マルチ型タイプ DMPLシリーズ 1.8 mm
DMPSシリーズ 1.5 mm

(※寸法公差:±0.1 mm)

※「ボルトタイプ・イオニスコート/ SK仕様」は製品化予定

【参考】スリット入りバッテリーターミナル 実使用例検証

スリット(切り込みや割れ目)は物体や構造物の強度が低下する場合があり、外部からの力や負荷がスリットにかかると、その部分が弱くなり、ひび割れや破壊が生じる可能性が高くなります。

なお、自動車から発生する振動などによって亀裂が入ったスリット入りバッテリーターミナルは、「接触不良」や「接触抵抗」の増加などによる電圧低下によって、予期せぬ車両トラブルを引き起こす懸念があります。

JIS規格に基づく「振動試験」の検証(試験材料:DTPL・DTPS)

【振動試験機全体像】

気候変動や生物多様性の保全などを考慮し、環境に配慮した“ものづくり”を積極推進

地球環境の保全に配慮した”ものづくり”を重視しており、その一環として自動車補修用バッテリーターミナルでは鉛、水銀、カドミウムなどの有害物質を一切使用しないRoHS2指令に対応した板タイプバッテリーターミナルを業界に先駆けて30数年前に開発。ヒーロー電機は、RoHS2指令に従い地球環境の保全に貢献する製品の提供を通じ、持続可能な未来の実現に向け更なる積極的な取り組みを行ってまいります。

RoHS2(Restriction of Hazardous Substances Directive)指令は、電気・電子機器およびそれらの部品における特定の有害物質の使用を制限するための欧州連合(EU)の指令です。RoHS2指令は、環境および人体への有害な影響を軽減することを目的としています。

RoHS2指令の対象物質は以下の10種類です。

  1. 鉛(Lead)
  2. 水銀(Mercury)
  3. カドミウム(Cadmium)
  4. 六価クロム(Hexavalent Chromium)
  5. ポリ臭化ビフェニル(Polybrominated Biphenyls、PBBs)
  6. ポリ臭化ジフェニルエーテル(Polybrominated Diphenyl Ethers、PBDEs)
  7. フタル酸ジイソブチル Diisobutyl phthalate、DIBP)
  8. フタル酸ジ-n-ブチル (Dibutyl phthalate、DBP)
  9. フタル酸ブチルベンジル (Butyl benzyl phthalate、BBP)
  10. フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) (Bis(2-ethylhexyl) phthalate、DEHP)

これらの物質は環境への悪影響があると認識されており、特に廃棄物処理時に有害物質が漏れ出すことで土壌や水源に浸透し、生態系や人の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

利便性と意匠性を兼ね備えたヒーロー電機オリジナル開発のバッテリーターミナル専用カバー

ヒーロー電機オリジナルバッテリーターミナル用カバーシリーズに、利便性の向上を目的に板タイプバッテリーターミナル、ならびに変換バッテリーターミナルの両タイプに対応する専用カバーをラインアップ。専用カバーの開発において、これまで培った独自技術やノウハウを駆使すると共に、洗練されたデザイン形状を追求。また、製品自体の高い信頼性を確保するため国内生産を死守し、既ラインアップ製品と同様にカバー自体の肉厚を高め、安全性も併せて追求。

板タイプバッテリーターミナル ボルトタイプ用カバー(DTPL・DXL兼用)

DVC-TXLR
DVC-TXLB

板タイプバッテリーターミナル ボルトタイプ用カバー(DTPS・DXS兼用)

DVC-TXSR
DVC-TXSB
板タイプバッテリーターミナルを使用する際のワンポイントアドバイス

ヒーロー電機では、創業以来一貫して基本理念として掲げている「完全な整備に完全な結線を」をベースに、電線と端子の接続には、長期間にわたって確実かつ安定した接触を保つこと出来る「圧着方式」を推奨しております。

簡易圧着工具「D-19N」および「D-20N」を使用することで、圧着部分の引張強度は日本自動車技術会の規程する規格(JASO規格)「JASOD616,導体圧着部の最小引張強度」をクリアします。なお、JASOD616は、導体圧着部の最小引張強度に関する規格であり、自動車業界において導体圧着部の品質や安全性を確保するために使用されます。この規格をクリアすることは、圧着部が所定の引張強度を持ち、信頼性の高い電気的接続を提供することを意味します。

板タイプバッテリーターミナル(DCPLおよびDCPSシリーズ)製品圧着部分の断面形状検証

D-19NおよびD-20Nは、JASO規格「導体圧着部の最小引張強度」をクリアしております。

板タイプバッテリーターミナル(ターミナル側)

板タイプバッテリーターミナル(電線側)

バッテリーターミナルおよび電線を<より安全>に、且つ<より確実>に取付作業(圧着作業)を実施することにより、本来のバッテリー性能を充分に発揮させることが出来ます。

自動車のエンジンや走行時に発生する振動はバッテリーターミナルや電線の接続部分にも影響を与えます。接続部の緩みは接触不良を招き、電流が正しく流れず電圧降下やバッテリー上がり、また電子機器の誤作動の原因になる場合も有ります。電線との確実な結線はとても重要になります。

【参考】 日本自動車技術会規格(JASO規格):公益社団法人自動車技術会(JSAE)が制定する工業規格

圧着工具の製品仕様
製品ラインナップ ※品番から製品詳細ページをご覧いただけます
写真 仕様 品番 規格・仕様
ポール 適用 材質 表面処理
ボルトタイプ DTPL-1SK 大(Dタイプ端子) 縦ボルト部M8 無酸素銅(OFC) イオニスコート/SK
DTPL-2SK
DTPS-1SK 小(Bタイプ端子)
DTPS-2SK
マルチ型タイプ DMPL-1 大(Dタイプ端子) 縦ボルト部M8
DMPL-2
DMPS-1 小(Bタイプ端子)
DMPS-2

※「ボルトタイプ・イオニスコート/ SK仕様」は製品化予定

使用例
板タイプバッテリーターミナル(ボルトタイプ)
板タイプバッテリーターミナル(マルチ型タイプ)
板タイプバッテリーターミナル(ボルトタイプ)
板タイプバッテリーターミナル(マルチ型タイプ)
板タイプバッテリーターミナル(イオニスコート/SK仕様)シリーズ 実車装着例
日産スカイライン R34(Nissan skyline R34)
日産シルビア S15(Nissan Silvia S15)
スズキジムニー JB23(SUZUKI Jimny JB23)
板タイプバッテリーターミナル(ボルトタイプ)の交換方法
手順1 バッテリーターミナル含め必要となる部材を用意する
手順2 バッテリーターミナルを外す
手順3 電線をカットする
手順4 端子の圧着と準備
手順5 熱収縮チューブで圧着部を保護(熱収縮チューブを使用する場合のみ)
手順6 バッテリーターミナルを元に戻す
ターミナル取付時には必ず装着するバッテリーのポール部に異常がないかご確認ください。また、バッテリー液には必ず触れぬようお願いします。
バッテリー(鉛蓄電池)のポールへ取り付ける際のワンポイントアドバイス

(上記イラストはボルトタイプ仕様)

  1. バッテリー(鉛蓄電池)のポールに板タイプバッテリーターミナルを押し込む。
  2. ポイントAが反対側の面に当たるまでM6ナットを締め込む。
  3. 更にM6ナットを締め込むことにより、ポイントAが支点となりバッテリーターミナルがバッテリー(鉛蓄電池)のポールを締め付けます。(支点の作用により、バッテリーターミナルがしっかりと固定されます)
  4. 取付直後は緩みがないかを確認
  5. 定期的に緩みがないことを確認

YouTube(プロが教えるバッテリーターミナルの交換)

(YouTubeチャンネル「メカニックTV」様 掲載許諾済)