端子引抜き工具は、自動車や機器などに使われるコネクタ内部に挿入された端子を、コネクタから端子を破損させずに取り外すための専用工具です。なお、コネクタ内の端子は「ロック爪」で固定されていますが、この爪を解除しながら引き抜ける形状になっております。

端子引抜き工具は、主に以下のような作業で必要になります。

• 自動車の配線修理や補修で、コネクタ内部に挿入された端子を再利用するとき
• 端子を入れ替えて配線を整理するとき
• 誤って差し込んだ端子を抜き直したいとき
• ワイヤーハーネスの分解や再組立をおこなうとき

【ポイント】
普通の工具（精密ドライバー・ニッパーなど）では端子やコネクタを傷つけてしまうため、専用の端子引抜き工具が必須です。

端子引抜き工具は、主に以下のタイプがあります。

パイプ型（筒状）
丸型ピン端子を取り外す際に使用

平板型（ブレード型）
ファストン端子などの平型端子に対応

専用形状型
メーカーやコネクタシリーズごとに専用設計された工具（例：TE Connectivity 用、Molex用など）

端子引抜き工具をご使用される際には、以下の点に注意してください。

• 無理に電線を引っ張らず、必ずコネクタ内部のロックを解除しながら端子を引抜いてください。
• 適合するサイズ・形状の工具をご使用ください。（合わない工具は破損の原因となります）
• 引抜いた端子は、変形や接触部の傷がないかを含めまして必ずご確認を願います。
• 端子を再利用する場合は、再圧着の可否をチェックしてから戻してください。

端子引抜き工具を使用することにより、主に以下のようなメリットが期待できます。

• コネクタを壊さずに端子を引き抜くことが出来るため、部品再利用が可能
• 作業効率の向上、時間の大幅削減