コルゲートチューブ Q&A 困ったときの解決ガイド
このQ&Aは、1968年創立の自動車補修用電装部品専門メーカーとして、半世紀以上にわたり自動車整備に携わるプロフェッショナルより厚い信頼を寄せられてきたヒーロー電機が、長年の知見に基づきコルゲートチューブについてわかりやすくまとめたものです。
コルゲートチューブ Q&A
「コルゲートチューブ」と「スパイラルチューブ」は同じような製品ですか?
どちらも配線を整理する目的で使用されますが、構造や用途が異なります。
【コルゲートチューブ】
波形(蛇腹)形状のチューブで、電線を包み込み1本にまとめる構造です。
主に自動車配線や機械装置など、配線を保護しながら整理する用途で幅広く使用されています。
【スパイラルチューブ】
細長い樹脂帯をらせん状に巻いたチューブで、電線を束ねたり、途中で分岐させたりする際に使用されます。
主にオフィスや家庭などで、パソコン配線整理の際によく用いられています。
※コルゲートチューブは配線を包み込む構造、スパイラルチューブは配線に巻き付ける構造というイメージです。
自動車配線補修用途では、コルゲートチューブとスパイラルチューブではどちらが向いていますか?
自動車は真夏の高温環境やエンジンルーム内から発生する熱や走行時の振動などをはじめ、配線に負荷がかかる条件が多いため、耐熱性・耐摩耗性を有するコルゲートチューブが基本的に適しています。
コルゲートチューブのサイズはどのように選べば良いですか?
コルゲートチューブのサイズ選定の基本は「配線(電線)の外径(束の直径)」に合わせて選びます。
- 配線の外径(束の直径)より少し大きめのコルゲートチューブの内径製品を選ぶと、配線(電線)を通す作業が容易です。
- 配線の外径(束の直径)とコルゲートチューブの内径の差が大きすぎる場合、配線がコルゲートチューブ内部で遊んでしまい、擦れや雑音の原因になります。
- 配線の外径(束の直径)よりコルゲートチューブの内径が小さい場合、配線が入らないほか、無理に挿入すると配線の被覆を傷める恐れがあります。
【ポイント】
目安: 配線(電線)を複数本まとめる場合には、配線の外径(束の直径)を基準に選ぶと安心です。配線の外径(束の直径)+1〜2mm程度太めの内径を有するコルゲートチューブが推奨です。
コルゲートチューブに配線(電線)を挿入する際に、通し治具(専用工具)などは必要ですか?
コルゲートチューブの専用工具は必須ではありませんが、特に以下の場合に役立ちます。
- 長尺の配線(電線)を通すとき
- 複数本の配線(電線)をまとめて入れるとき
- 配線作業を行う際の指先の保護や作業効率を重視する場合
※専用工具(通し治具)を使うことにより、配線を専用工具にセットしてチューブへスライドさせるだけで施工可能です。作業時間短縮だけでなく、挿入する際の配線(電線)被覆を傷めにくいという利点があります。
コルゲートチューブ用簡易工具(挿入工具)の正しい使い方を教えてください。
まず、コルゲートチューブに通したい電線を簡易工具の差し込み口にまっすぐ挿入し、指でしっかり固定します。次に、工具の円錐部の突起にコルゲートチューブのスリット(切れ目)を合わせてセットします。セットしたチューブを電線に沿わせ、電線とチューブを一緒に押さえながら、工具をコルゲートチューブのスリットに沿ってゆっくりスライドさせてください。
コルゲートチューブは耐熱性がありますか?
素材により異なりますが、一般的なポリプロピレン製は耐熱温度95℃、耐熱タイプは125℃まで使用できます。使用環境に応じて素材を選択することが重要です。
コルゲートチューブは再利用できますか?
基本的には再利用可能です。ただし、再利用時にはスリットの裂けや摩耗がないかを確認し、一度大きく変形した部分、紫外線や熱で劣化した部分の使用は避けてください。再利用時には、必要に応じて劣化部位をカットするなど、安全を確認してからご使用ください。
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