丸形端子 Q&A 困ったときの解決ガイド
このQ&Aは、1968年創立の自動車補修用電装部品専門メーカーとして、半世紀以上にわたり自動車整備に携わるプロフェッショナルより厚い信頼を寄せられてきたヒーロー電機が、長年の知見に基づき丸形端子についてわかりやすくまとめたものです。
丸形端子 Q&A
丸形端子とはどのような製品でしょうか?
丸形端子は先端形状が“輪(リング)”になった端子で、ネジやボルトに固定して確実につなぐための製品です。振動で抜けにくいのが特長で、車や産業機器などをはじめ幅広く使用されております。
丸形端子はどのような用途で使われることが多いですか?
丸形端子は主に 電源周り(バッテリー・アース)、機器端子台、車の追加電装をしっかり固定する配線などで使用されております。
【補足】
クローズドバレル(=電線を差し込む部分が筒状になったタイプ)は、ネジやボルトで強く締め付けても外れにくいため、振動が多く発生する車両や産業機械の電源回りなどに向いております。
丸形端子の「サイズ」および「選び方」について教えて貰えますか?
丸形端子を選択するには、確認するポイントが2つあります。
端子先端の穴径(業界用語では“呼び”) 丸形端子を取り付ける相手側のボルト径に合わせて選びます。(例:M4のボルトならM4用の丸形端子)
適合電線サイズ 丸形端子は製品ごとに「電線抱合範囲(mm²/ Sq)」が決まっています。これは電線を差し込む筒状の部分(=バレル部分)で判断します。抱合範囲外の電線を使用しますと不適合圧着となり、導通不良や抜けの原因になります。

クローズドバレル丸形端子
| 品番 | 電線抱合範囲[撚線](㎟) |
|---|---|
| DR8-8-24K | 6.64~10.52 |
| DR14-8-24K | 10.52~16.78 |
| DR22-8-24K | 16.78~26.66 |
丸形端子の「オープンバレル」と「クローズドバレル」の違いについて教えてください。
丸形端子のオープンバレル仕様とクローズドバレル仕様について、以下のとおりとなります。
オープンバレル仕様
個々の適用電線範囲が広く汎用性があり、アクセサリー電源のアースによく使用されます。オープンバレル仕様は電線の被覆、および芯線の計2か所を圧着します。
クローズドバレル仕様
電線の太さによって製品が細かく分けられており、バッテリーケーブルのような太い電線までバリエーションが豊富です。芯線のみの圧着なので作業効率に優れていますが、使用する電線の太さに注意する必要があります。


【注意】
バレルタイプ(オープン、クローズド、絶縁被覆有無)により、圧着工具が異なりますのでご注意願います。なお、詳細につきましてはヒーロー電機のホームページ各製品欄の「適用工具」をご参照ください。
丸形端子とあわせて、絶縁処理を行っておいた方が良いでしょうか?
丸形端子は電線を差し込む筒状部分(バレル)が金属(無酸素銅)のままむき出しになっております。そのため、他の金属部分や工具などに触れるとショート(短絡)の原因となります。特に自動車や機械は振動が多く、思わぬ接触が起こりやすいため、安全のためにも絶縁処理は必ず行ってください。
代表的な方法は以下の2つです。
絶縁スリーブ
丸形端子の上から差し込むカバーです。端子同士の接触を防ぎます。最初から絶縁被覆が付いた丸形端子もラインナップされております。
電線を圧着(かしめ)後に熱収縮チューブをかぶせ、ヒートガンで加熱して収縮させます。ピッタリと密着し、防水・防湿効果もあるため、自動車やバイクなど屋外使用に適しています。
丸形端子の圧着(かしめる)にはどのような工具を使えば良いでしょうか?
丸形端子を電線にしっかり固定する圧着(かしめ)作業には、使用する環境に応じた適用工具を選ぶ必要があります。
配電盤や公共工事など 日本産業規格(JIS)準拠が求められる現場では、必ずJIS規格に適合した圧着工具をご使用ください。
自動車補修用途
この分野ではJIS規格は適用外ですが、これまで難しかった太線の圧着を容易にし、圧着部の引張強度が 公益社団法人日本自動車技術会(JASO規格)「JASO D616:導体圧着部の最小引張強度」をクリアする 簡易圧着工具(品番:D-19N/D-20N)をご用意しております。
【注目製品】 簡易圧着工具D-19N / D-20N | ヒーロー電機株式会社|1968年創立・自動車補修用電装部品専門メーカー
https://hem.co.jp/special-d19n
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