ヒーロー製品の歴史

1960年代

日本の高度経済成長に伴い個人所得が倍増し、本格的なモータリゼーションが到来。国内の自動車保有台数も1967年には1,000万台を突破。
ヒーロー電機の創業者である関 健治はグローバル展開を図る米国・コネクタメーカーのAMP Incorporated社(現・TE Connectivity)日本法人幹部との学友だった縁で、同社の端子による圧着接続技術に着目し、今後需要が高まることが想定された自動車補修分野におけるプロユース向け製品の新たな市場を創造すべく、東京都千代田区外神田にて創業。

テーマはあくまでも「プロユース」

製品自体の「信頼性」と「堅牢性」を兼ね備え、日本のモータリゼーション黎明期における自動車配線修理用工具の代名詞ともなった圧着工具「B-125型クリンパー(品番:B-14)」

完全整備を目指すプロフェッショナルからの要求に応えるべく、設計から製造まで国産にこだわり、長年にわたる現場作業にも十分に耐えうる確かな構造が生み出す優れた耐久性は、半世紀を経た現在に至るまで高いご評価を博しております。

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(上)半世紀にわたりプロユースに応え続けた
 圧着工具「B-125型クリンパー(品番:B-14)」
(下)創業当時のリーフレット
 左:国内向け
 右:海外向け

こだわったのは「素材」・「仕上加工」

プロフェッショナルからの高い要求に応えるべく素材・仕上げ加工の全てにおいて、一切の妥協を許さない<ヒーロー品質>を凝縮したギボシ端子「B-1/B-2」

自動車補修部品<専用>として製品開発をおこない、自動車という過酷な環境に耐えうる品質を維持するため、「純国産」・「自社生産」にこだわり抜いたからこそ実現可能なハイパフォーマンスは、自動車アフターマーケットを中心に、国内外を含め半世紀の販売実績を誇ります。

ヒーローのギボシ端子が選ばれている理由

〔写真〕
ギボシ端子(上:B-1 下:B-2)

1970年代

ベーシックアイテムをキット化

自動車配線修理の主流であったハンダ付けの伝統に挑み、作業場所や電源等の条件は一切問わず、手軽に持ち運べ、確実な端子の圧着作業で瞬時に配線トラブルを解決するプロユース仕様 「自動車用Bタイプターミナルキット」

〔写真〕
自動車用Bタイプターミナルキット

日立自動車部品販売株式会社(現・日立Astemoアフターマーケットジャパン株式会社)が構築する全国販売網を通じ、主に自動車アフターマーケットを中心とした製品の普及推進に尽力し、これまで多くのプロフェッショナルの作業効率の向上に貢献してまいりました。

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左:ターミナルキットリーフレット
 当時のリーフレット用宣伝に使われたキャッチ
 コピーは 『完全な整備に完全な結線を』
右:ターミナルボックスセットリーフレット
 「電気配線の救急箱」の愛称で業界初となる
 ターミナルボックスを製品化

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自動車用Bタイプ配線ターミナル実物見本帳
 これまで多くのプロフェショナルより高いご支持を
 頂いてまいりました実物サンプルを配した現場必携
 の一枚

新カテゴリーの確立

完全整備を目指すプロフェッショナルからの強い要望に応え、新たに製品化したヒーロー初の圧着タイプ式バッテリーターミナル 「DC」 シリーズ

業界に先駆け自動車修理における新カテゴリーを確立した自動車補修用圧着配線ターミナルの基本理念である「完全な整備に完全な結線」を踏襲し、新たに製品開発をおこなった圧着タイプ式バッテリーターミナル。

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バッテリーターミナル 「DC」 シリーズ

費用対効果と利便性を両立

コストパフォーマンスと現場作業効率の向上を両立させた圧着(圧縮)工具「#D-860」

圧着タイプ式バッテリーターミナルや丸形端子などを圧着する場合、高価な油圧式圧着工具や、製品重量があるハンドル式圧着工具が主流であったため、コスト面と作業面を兼ね備えたヒーローオリジナル製品を開発。また、業界初となる自動車補修用「バッテリーターミナルキット Dタイプ」も新たに製品化。

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上:圧着(圧縮)工具#D-860
左:バッテリーターミナルキット Dタイプ
右:当時のリーフレット

1980年代

業界初の素材採用と独自の成形技術

更なる電力供給の効率化を目指すべく、素材自体の「高導電性」とプロユースにも耐えうる「堅牢性」も兼ね備えた無酸素銅(OFC)バッテリーターミナルシリーズ

当時のバッテリーターミナルの素材は「鉛」もしくは「亜鉛合金」が主流であったが、かねてより多くのプロフェッショナルから要望を寄せられていた”導電性の向上”という新たな命題に取り組むべく、素材には導電性に優れた「無酸素銅」を採用した補修業界初の「無酸素銅(OFC)バッテリーターミナル」を独自開発。

〔写真〕
上:「DCPL・DCPS」 シリーズ
中:「DOPL・DOPS」 シリーズ
下:「DTPL・DTPS」 シリーズ

プロユース向け製品だからこそ設計から製造まで一貫して「純国産」・「自社生産」体制にこだわり続け、製品自体の高い品質と信頼性を追求。

1990年代

ユーザー目線が生んだ現場の定番工具

現場作業の生産効率を高めたいというニーズから1アイテムの工具で各種端子の取り外しを可能にした端子引き抜き工具「FR-150」

自動車補修用部品専門メーカーとして培った四半世紀の経験をベースに、工具軸素材には航空機にも使用される強靱な材質と、先端には長年培った経験に基づき考案された独特の形状によりスムーズかつ確実に端子を引抜くことを可能にしたオリジナル製品。

新たなる市場を見据えて製品化

自動車用防水コネクタの将来的な拡大を見据え、業界に先駆けて開発した防水ターミナル対応圧着工具「FRC-100」

開発の基本コンセプトはB-14と同様「あくまでもプロユース」。また、防水ターミナルの圧着という従来の概念にはない難題も加わり、開発は難航を強いられたが、幾多の苦難を乗り越え“業界初”となる防水ターミナル対応圧着工具を製品化。

他工具の追随を許さない圧倒的な独創性

狭小空間における端子圧着作業の効率化を目的に従来の圧着方法のあり方を根底から覆した簡易圧着工具 「D-19N」

“現場作業効率の向上”というヒーロー製品の変わることのない基本理念への原点に回帰し、圧着工具としての既成概念に縛られないゼロからの発想から誕生したヒーローオリジナル製品。

2000年代

「こんな製品があったらいいな!」を実現

ヒーローの独自技術とノウハウを随所に結集し新たなニーズを創造した無酸素銅(OFC)バッテリーターミナル(変換タイプ)「DXL」「DXS」シリーズ

バッテリー交換の潜在ニーズに応えるべく、プロユース向け自動車補修用部品の設計製造を長年にわたり自社で行ってきた経験と、無酸素銅(OFC)バッテリーターミナルで培ったDNAを継承した渾身の逸品。

使いやすさと品質に磨きをかけて

半世紀にわたりプロユース向けとして君臨した「B-14」の血統と、「FRC-100」で培った防水ターミナルの圧着ノウハウを継承し、ヒーロー製品の新たな歴史を刻む圧着工具「FRH-07」

自動車の電子化に伴う電線自体の細線化、および防水コネクタ装着の更なる拡大傾向を鑑みて、「B-14」ならびに「FRC-100」で積み上げた各種ノウハウを、「FRH-07」によってさらに進化。また、プロユース向け製品として他の圧着工具の追従を許さないヒーローこだわりの緻密に設計された歯型は、端子の美しく確実な圧着仕上がりを実現。

2010年代

創意工夫した製品はバリエーションを生む

市場からの製品化に向けた強いご要望を受け、「D-19N」の派生モデルとして新たに誕生した簡易圧着工具「D-20N」

これまで多くの要望を寄せられていた太線(38mm2~60mm2)の圧着対応を可能にし、端子圧着方法のノウハウと、引っ張り強度性能をD-20Nへフィードバックさせたヒーローオリジナル製品。

新分野開拓の立役者

「自動車用Bタイプターミナルキット」の血統を継承し、防水ターミナルおよびヒーローオリジナル工具を搭載した業界初の防水ターミナルキット「FR KIT」

現場での使用頻度が高い各種防水ターミナル、および防水ハウジングを厳選し、防水ターミナル対応の圧着工具「FRH-07」、軸素材には合金鋼の中でも機械的性質に優れた航空機の部品にも採用されるニッケルクロムモリブデン鋼を採用した端子引き抜き工具「FR-150」をキット化した、プロフエッショナルの要求に応える業界初の防水ターミナル専用キットで新規需要創出に挑む。

昔も今も、実物に勝るものなし

時代の要請に応え誕生し、半世紀にわたりご支持を頂いた配線ターミナル実物見本帳を現代風にアレンジさせたサンプルボード

〔写真(上)〕
Wiring Parts sample
自動車配線修理作業を向上させる整備工場必携品として高いご評価を頂いていた業界初の「自動車用Bタイプ配線ターミナル実物見本帳」をベースに、代表的な製品(49アイテム)を厳選し現代風にアレンジさせた復刻版。

〔写真(下)〕
Car Fastener Parts Sample
これまで多くのプロフェショナルより高いご支持を頂いてきた「自動車用Bタイプ配線ターミナル実物見本帳」で培ったノウハウを随所に反映させ、新たに進化を遂げた業界初となるカーファスナーの実物見本帳。

他を凌駕する独創的デザインと匠の技を融合

自動車用補修部品専門メーカーとして培った半世紀の「伝統」と「技術力」をベースに、発展性を秘めた独創的なデザイン形状と、鋳物を熟知した匠の繊細な感性と入念な手作業の融合により誕生した新たなカテゴリーを創出するバッテリーターミナル。

ヒーロー電機は創立50周年を迎えた2018年を「第二の創業」と位置づけ、“現場作業効率の向上”という一貫として守り抜いてきた不変の基本理念に原点回帰し、バッテリーターミナルの既成概念を一切否定し、ゼロからの発想により誕生した自己革新に挑む珠玉の逸品。

2020年代

無酸素銅(OFC)に24Kメッキを施したマニア垂涎の逸品

時代の変化とともに多様化するニーズにお応えすべく、無酸素銅(OFC)バッテリーターミナルの派生モデルとして、新たに誕生した「24Kメッキ仕様」

酸化物などが最小限しか含まれていない99.96%以上の高純度の銅で、優れた導電性を有する「無酸素銅(OFC)」を本体素材として採用し、表面処理には美観のみならず耐食性が極めて良く、且つ電気導電性に富んだ24Kメッキ<金メッキ>を施したカーオーディオマニア垂涎の逸品。

バッテリーターミナル用マルチ変換アダプター
「登録意匠 第1741715号」

本体素材に無酸素銅(OFC)と知的財産権を取得し、新たな価値を創造

無酸素銅(OFC)バッテリーターミナル(ボルトタイプ)をベースに、ヒーロー電機が半世紀以上にわたり培ってきたノウハウと、表面にはサビに強くステンレス材(SUS304)と同等耐食性を有する卓越した高耐食複合合金メッキ(イオニスコート/SK)を融合させた無酸素銅(OFC)マルチ型バッテリーターミナル。

バッテリーターミナルの既成概念を一切否定し、ゼロからの発想により誕生した黄銅鋳物製マルチ型バッテリーターミナルを進化・発展させるべく、量産品としては製品化が極めて困難と思われていたプレート部にも無酸素銅を採用。また、ヒーロー電機オリジナルバッテリーターミナルシリーズにおいて初の知的財産権(意匠権)を取得した、次世代を担うバッテリーターミナル。

(上記敬称略)

ヒーロー電機のギボシ端子 B-1 / B-2

半世紀にわたりプロフェッショナルから選ばれている理由

当社のギボシ端子はインスレーションバレルに「プリフォーム」という加工が施されています。インスレーションバレルを圧着する際に最も重要なことは、電線被覆を均一に押さえることです。当社のギボシ端子は、インスレーションバレルに施された「プリフォーム」効果により、工具の歯に端子が安定してセットされ、加圧していった時に良好なカシメ形状を生み出します。
プリフォームされていない製品は、いきなり圧着するとカシメ不良を起こしやすいため、圧着前にバレル幅を少し細めたり、バレル先端を少し曲げたり等、端子に細工する必要があり、作業工程が増えてしまいます。